Faculty of
Humanities

文学部日本語?日本文学科

いまだから学ぶ日本

学科概要過去から現在に至る〈日本〉を学ぶ

わたしたちがいま生きている〈日本〉とは何か。この問いについて言語表現を中心に探究するのが日本語?日本文学科です。
古代から中近世、近現代に至るまでの日本語?日本文学?日本文化が研究の対象であり、
マンガやアニメといった現代の日本文化も人気のあるテーマの一つです。
書道への関心から、実践に加えて漢文学や和歌といった分野に学びを発展させる学生もいます。

本学科では卒業研究につながる専門性を高めていくことはもちろんですが、
それを支える幅広く堅固な土台を構築することを大切にしています。
全ての分野で基礎的な講座が開講されており、少人数でのきめ細やかな指導をしています。
また、専任教員の専門領域が古代から現代まで全ての時代をカバーしていることが本学科の特長です。
これによって過去から現在までの〈日本〉を「点」としてではなく「線」として関連づけ、
総体的に捉えるカリキュラム編成が可能となっています。

今後〈日本〉を含めた世界はどうなってしまうのか、不安な人は少なくないでしょう。
これからの未来を切り拓くために、そもそも〈日本〉とはいったい何なのかを探索するところから始めてみませんか。

専修

本学科には「日本語?日本文学専修」と「日本文化専修」という二つの専修が設けられており、
自身の興味関心に合わせて専門的な知見を磨いていくことができます。

日本語?日本文学専修
  • 日本の物語や小説を読むことが好きな人、日本のことばに興味がある人向けです。
  • 奈良時代から現代までの日本文学が学べます。
  • 古典のことばから現代のことばまでの日本語が学べます。
日本文化専修
  • マンガや映画といったメディアを含めて、広く日本の文化に関心がある人向けです。
  • 漢文学や日本文化を中心としたアジア文化も学べます。
  • 書道を専門的に学べます。

学科の目指すもの

日本語によって物事を認識し、思考し、想像?創造し、コミュニケーションしながら私たちは生活しています。この当然の事実の前に立ちどまって、政治?経済?歴史?宗教などさまざまな領域において、日本語という言語がどのような文学や文化を形成してきたのか、また将来において何を成し遂げようとしているのか。本学科はその探究を目指しています。

自分が使っている日本語という言語に対する鋭敏な感性と分析力、そして豊かな表現力を自らのものにすることは、情報化社会において自立した個人として、物事を客観的に判断して生きていくための基礎的な力です。そしてそれは、大きな変化の中にある私たちの決して穏やかでない現代社会において生きる指針となることでしょう。

本学科はこのような目標を共に追求できる人を求めています。
具体的にはたとえば以下のような興味関心を持つ人です。

  • さまざまな時代と場所における日本語の姿や、それを使用する人々の思考に出会ってみたい人
  • 日本語によって創造された古典文学や近現代文学を、政治?経済?歴史?思想などの総合的な観点から探究していこうとする人
  • 日本文化が、東アジアや欧米の異文化とどのように向き合い、どのように自己形成し、今後どのように変容していくのかを考えたい人

学科の強み?特徴

豊富な専門教員と少人数での指導
古代から現代に至るまでの日本語?日本文学?日本文化の全領域をカバーする専門教員が揃っています。そのため、同じテクスト、同じモチーフを多角的に捉え、理解を深めることができます。また、教員一人あたりの学生数が少ないため、一人ひとりにじっくり向き合っています。
基礎からの学び
「日本語?日本文学?日本文化に興味はあるけれど、たとえば作文や古文など苦手な分野がある。」そんな人でも心配はいりません。本学科では基礎から改めて学ぶことができる入門科目を開設しています。入門科目を通じてその分野の新たな魅力を発見しましょう。苦手は伸び代です。
専門性と将来性
本学科では「国語」と「書道」の教員免許状を取得できます。特に、書道の免許状が取得可能なのは札幌圏では本学のみです。「教材」としての側面以外に注目しつつテクストを読み解く訓練を積むことは、将来の教員生活を支える確かな力となってくれます。司書、司書教諭、登録日本語教員なども学科での学びを活かせる資格です。

学びのポイント

基礎から専門に至る
充実のカリキュラム

日本語?日本文学科では、ディプロマポリシー(学位授与の方針)として、

  1. 「情報を収集し、読解?分析する力」
  2. 「論理的かつ柔軟な思考力」
  3. 「広く他に自己の見解を、説得力をもって主張する力」
  4. 「日本語と日本文学に関する専門性、日本文化に関する専門性」

を掲げており、卒業の段階でこれらの力や素養を十分に身につけてもらうことができるように、学科のカリキュラムを組み立てています。

本学科のカリキュラムの中核は①日本語学、②古典文学、③近現代文学、④日本文化、⑤漢文学、の五つの研究領域から成り立っており、「基礎講義科目Ⅰ」「演習Ⅰ」「演習Ⅱ」を通して各領域の専門的素養を高めていきます。そして「卒業研究ゼミ」を経て、最終的に一つのテーマについて「卒業研究」として論文をまとめることになります。詳しくは「カリキュラム概要」をご覧ください。

一つの専門分野を追究するということは、その分野「しかできない」ということを意味しません。専門性を極める経験を通じて、職業の場など、生涯の中で出会うさまざまな専門分野の知識や技能への「アプローチの仕方」、情報社会においてみずから問題を発見し解決していくための汎用的能力を鍛え、しっかりと自分のものにしてもらいたいと考えています。

学修を支える専門資料

藤女子大学図書館本館は1947年の藤女子専門学校国語科開設以来、日本語?日本文学領域の資料を体系的に収集?蓄積しており、『改造』、『婦人之友』、『話』をはじめとする戦前の貴重な雑誌からアニメのDVDといった現代のカルチャー作品に至るまで幅広く所蔵しています。また、一般的な図書?雑誌の他にマイクロ資料やオンラインデータベース、電子書籍も積極的に拡充しています。たとえば日本語?日本文学研究の基礎資料である『新日本古典文学大系』、『国歌大観』、『国史大系』などもオンラインで利用できます。

このように本学図書館本館は、日本語?日本文学を学ぶ学生にとって心強い味方です。2023年度に本館を利用した学生は、日本語?日本文学科だけで延べ10,022人にものぼります。学科の学生一人あたりの年間貸出冊数は15.3冊です。このデータは単に資料が豊富に揃っているというだけでなく、それが活発に利用されているということを示しています。

切磋琢磨できる環境

「学びのポイント2」で触れたように、日本語?日本文学科の学生は図書館を積極的に利用し、学びを深めています。そのような熱心で、意欲を刺激してくれる仲間と出会うことができるのが本学科の大きな魅力です。

また、道内の数ある学会の中でも有数の伝統と実力を誇る「日本語?日本文学会」は、本学科の学生、卒業生、教職員で構成されています。教員による研究発表会や『国文学雑誌』の発行など、学会運営にあたっては学生運営委員が力を発揮しています。運営委員は勉強会や文学館見学などを通じて見識を深めています。学科の学生であれば誰でも運営委員になることができますので、ぜひご参加ください。

取得可能な免許?資格日本語?日本文学科で取得可能な免許?資格は以下の通りです。

  • 高等学校教諭一種免許状(国語)
  • 高等学校教諭一種免許状(書道)
  • 中学校教諭一種免許状(国語)
  • 司書(任用資格)
  • 司書教諭(任用資格)
  • 学校司書
  • 日本語教師